深水黎一郎「トスカの接吻」読了

オペラの上演中、偽のナイフが本物とすり替えられて役者が殺害される――という事件に素人探偵が挑む、というお話。

舞台装置は割とありがちかなという感じ。演劇じゃなくてオペラというのは新鮮ですが。犯人はなかなか意外性があって良かったけど、あの役立たずの警部が何のためにいたのかはちょっとしたミステリーｗ

西澤保彦「スナッチ」読了

スナッチというと乗っ取るという意味。昔、宇宙人に体を乗っ取られるというお話なのでホラーなのかな…と思いきや、体を乗っ取ったのが平和な宇宙人なので怖くもなんともありません。
 

どういう話なのかというと、主人公を初め多数の人がある日突然宇宙人に乗っ取られてしまう。主人公の自我はそのまま眠ってしまっていたのだけれど、30年後に突然目を覚まして、自分が乗っ取られたことに驚く…というもの。宇宙人は平和で病弱なので地球侵略とかそういう話はなく、主人公の身の回りで殺人事件が起きるという、ミステリっぽい物語になってます。
 

ホラーじゃなくて意表を突かれましたが、こんな怖くない乗っ取られ話も面白いなと思いました。

 

北山猛邦「踊るジョーカー」読了

ものすごーく気が弱くて引きこもりがちな名探偵、というちょっと変わったお話。名探偵というと自信満々なキャラが多いので、「犯人がわかった…と思う」という弱々しいし音野くんのキャラが新鮮です。
 

話もよくできていたと思うし、テンポ良く読めて面白かった。次作があればぜひ、と思いました。