島田総司「斜め屋敷の犯罪 改訂完全版」読了

読んだことはあるんだけど、改訂版ってことでなんとなく読んでしまいました。といっても、オリジナルを読んだのがずいぶん前なんで、どこが変わったかは分からなかったけど。

 

斜めに傾けて建てられた屋敷で起きた不可解な密室事件に我らが名探偵御手洗が挑む、ということで、御手洗シリーズによくある「奇妙な建造物もの」です。

 

一回読んだので犯人もトリックも分かっているんだけど、御手洗の奇抜なキャラクターは何度読んでも面白い。ただ、御手洗が出てくると事件があっという間に解決してしまうので、なかなか出番が回ってこないのがじれったいところ(笑)。ほかの御手洗シリーズも再読してみたくなりました。

森博嗣「ゾラ、一撃、さようなら」読了

謎の美女から「大切なもの」の奪還を依頼された探偵。しかし彼の標的は有名な殺し屋「ゾラ」に狙われていた――

 

とまあ、森作品とは思えないハードボイルドな設定ですが、中身はちゃんと「森節」でした。

「やっぱろ森だ」と安心する一方、その森節がハードボイルドには合わないよなあと思ったり。

さばさばした(むしろしすぎた)登場人物だとか、緊迫感が薄かったりだとか……

ゾラの正体はまあ予想通りだし、面白くないわけではないけど、ちょっと物足りないような。

三津田信三「山魔の如きわらうもの」読了

怪異としか思えない現象を合理的に解き明かす刀城探偵シリーズ。今回も、マリーセレスト号事件に似た謎の一家消失や童歌に見立てた一家惨殺事件まで、呪いや山魔の謎を絡めながらきっちり謎解きしています。三津田の書くホラーミステリはやっぱり鉄板だなあと。

時代設定とか見立てとか呪いとか、○十年前の事件が…とかは金田一シリーズっぽいけど、でもやっぱり怪異を強調しているあたりで雰囲気違うんだよなー。